「ヴァカンスこそが本当の人生」


  
 好きな雑誌のひとつに、新潮社の『考える人』がある。随分前から好きで読んでいたけれど、最近はめっきりご無沙汰している。でも、今でも折に触れて読み返す記事がある。2008年の秋号(no.26)の中にある、「ヴァカンスこそが本当の人生。」という記事。

 フランス人アーティストのセシール・タリエールが放った言葉なんだけれど、わたしはこの記事のタイトルにもなっている言葉がとても、とても、とーーーっても好きだ。嫌なことがあるときや、乗り越えられないと弱音を吐きそうになるとき、いつも思い出すようにしている。


 「私にとってはヴァカンスこそが本当の人生。時間が自分のものになるからです。そうやって自分自身とじっくり向き合うゆっくりした時間から、何かが熟して生まれてくると思う。今の時代は『もっと働いてもっと稼げ』という社会のプレッシャーが強まっているけれど、消費するためにたくさん稼ぐなんてばかげているわ」(『考える人』2008年秋号53Pより) 

 その反面、わたしの新しい仕事は、消費をしてもらうために、いかに顧客とうまく関わっていくかが大事になる仕事だ。セシールの夫のフィリップは、「購買力、つまり消費する能力という言葉自体、おぞましい」と続ける。わたしも、ほんとうにそうだと思う。それなのに、自分がいま日々やっていることは、そのおぞましいことに他ならない。自分が生きていくために、そのおぞましいことを人にやらせている。そのことがやっぱりどこかで、仕事を続けていくことに対するモチベーションに関わっていることを、わたしは既に気づいている。

 ねぇ、いつまで、自分の気持ちに嘘をつきつづけていくの?そう思わずにはいられないのに、やっぱりわたしも食べていかなくちゃいけないから、きっと明日も仕事に出かけていくんだろう。これからどうやって生きていくのか、本当に真剣に考えないといけなくなってきているなって、強く思う。


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