すきなばしょ



 京都大原の雰囲気が結構好きだ。静かな田舎なのに、京都の気配に満ち溢れている。京都の気配というのは、京都の中なのだから当たり前なのだけれど、もっと肌で感じるような、洗練された京都感がそこかしこから漂っている。

 昨日、先月お邪魔したばかりのカフェ、APIEDに再度お邪魔してきた。前回足を運んだ際、素敵な内装のお店に一目惚れしてしまい、今月も絶対に行こうと思っていたのだった。春から初夏にかけての営業は6月で一度お休みされるそうで、営業している間はもう一度足を運べたらと思う。営業再開は9月ごろだそうだ。(写真は前回訪ねたときのもの)

 お店の写真自体は撮っていないのだけれど、外観は町屋の佇まいで、一見普通の古い素敵なおうちにみえる。入り口にはすてきな黒板と、白いシンプルなのれんがかけられている。中に入ると、思わず息をのむ。レトロなんだけれど、まったく古臭くない素敵な空間で、すべてのものがこだわりぬかれている印象。奥の庭も光が差し込むと陰影が綺麗で、小池の中には大きな鯉までいる。ずっとやっているのかはお尋ねしなかったけれど、奥の蔵のなかでは染谷みちこさんの布を用いた作品の展示を行っている。
( ほんと、この展示、すごいです。蔵の中に足を踏み入れると、ぎょっとするくらいの、異世界。二階にはあきらかになにかが棲んでいる感じがします。APIEDの穏やかで、静かに流れる空気とは一転した、人の闇を感じるので必見。染谷さんがどのような心境でお作りになられたのか、非常に興味深い作品たちでした。)

 わたしたちが、もともとこのカフェに行こうと思ったのにはきっかけがあった。ここのカフェのオーナーさんが作る文芸誌「APIED」をぜひ手に入れたいと思ったからだ。多種多様な作家の特集を組んで、それにまつわるエセーなどを収録している。実のところ、前回、在庫があるものは大方頂戴したのだけれど、シネマに重きを置いた「シネマアピエ」の最新刊かつ、最終刊が発行されたので、手に入れたくてもう一度お邪魔しにいったというわけ。

 今回もおいしいベーグルサンドのお食事をいただいて、おいしいスコーンもいただいて、大変満足。今回のフルーツはさくらんぼだった。さくらんぼを普段食べることってほとんどないんだけれど、子どもの頃に短期間暮らした山形での生活をふと思い出して、懐かしいなって。もう遠い過去のことで、うろ覚えだけれど。

 APIEDにいくと、経験するということを強く意識する。もちろん、素敵な空間だし、おいしいお食事をいただけるというそれだけのことじゃなくて、途中越えで大原の道を走って、わざわざ出向いていくことや、あの空間に身を置くこと、オーナーさんとお話しすること、帰りの車のなかで語り合えること、そういった経験に価値があるのだと思う。リフレッシュできるだけじゃなく、いろいろ挑戦していこうって思えるのが素敵だ。オーナーの金城さんもほんとうに素敵なお人柄で、お話ししているとこちらもおもわず微笑んでしまう。また遊びに来たいなって思わせるような、安心した空間なので、ついつい長居してしまうしね。近くの人はぜひ、一度訪ねてみるといい。

(次回は近くにできたマリアの心臓にも寄っていこう)

Cafe APIED




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