『ギアナ高地の伝言 橋本梧郎南米博物誌』を観て。



 週末は、岡村淳監督のドキュメンタリー映画を観に下高井戸シネマまで行ってきた。古き良き映画館という雰囲気で、懐かしい気持ちになった。

 『ギアナ高地の伝言 橋本梧郎南米博物誌』という映画は、若くしてブラジルに渡った橋本梧郎さんを追いかけた作品。植物を好きだという気持ちで、ブラジルの地で働きながら独学で植物学を学んだという橋本さん。ドキュメンタリーの撮影時には、すでに92歳とご高齢なのに、ギアナ高地テプイのごつごつとした岩肌を、杖をつきながら歩く姿は、見ていて心が揺さぶられるようだった。好きなことに打ち込むことで、年齢も体調もすべてを越えていく。自分を突き動かすなにかを持っている人は強いし、芯がぶれない。年齢を重ねても、ひとつの目標を達成したら、次の目標を見つける。その前向きな姿勢も見ていて痛快だった。こういう風になりたいよね、って自然と生きるうえでの先生としてみてしまう。

 橋本さんは、わたしの曽祖母たちと同じ世代。幸運なことに、わたしは曽祖母三人と直接会う機会があったけれど、曽祖父たちはわたしが生まれた頃にはすでに亡くなっていた。もし彼らが生きていたら、橋本さんのような感じだったのかもしれないと会うことのなかった曽祖父たちに思いを馳せた。それと同時に、植物が好きな祖父母に会いたいなって、心の底から思った。この植物はこうだよ、ああだよって、教えてもらうのがわたしは大好きだったよ。

 三十手前になって思うのは、もっとたくさん先輩たちの声を聞いておかないと、ということ。彼らの言葉や、生き方や、価値観をもっともっと知っておかないと絶対に後悔するなってこと。だから、今まで読まなきゃと思いながら、意図的に避けてきた日系人作家の本や、ドキュメンタリー、移民についてもっと向き合っていこうって気持ちになった。あえてかさぶたを剥がしにいってやろうっていう気持ち。もっと読んで、書いて、記録したい。父がよく自分たちは歴史を生きているんだと言っていたけれど、本当にその通りで、日系人の歴史を自分たちは生きていて、日々新しい歴史を作っている。小さな人々の集合体の中に埋もれちゃう言葉に耳を澄ませていかなくちゃ。

 岡村監督の他の作品も絶対に観ようと思ったし、ずっと読まなくちゃと思っていてなかなか買う勇気がなかった書籍も入手したから、しっかり読み込んでいこうと思う。(飴ちゃんは、ブラジルのコーヒー飴。監督が観客に配ってくださったもの。大事にいただきます。)

岡村淳のオフレコ日記:
http://www.100nen.com.br/ja/okajun/

『ギアナ高地の伝言 橋本梧郎の南米博物誌』:
http://100nen.com.br/ja/okajun/000044/20041229001473.cfm


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