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 昨晩は風が強かった。とても風が強いのに、気温はそんなに低くなくて、いつもの歩道橋の上で、しばらくぼんやり風に吹かれてた。木々のざわめきが気持ちよくて、あの音を聞くと生きている気がしてくる。心のなかが、さわさわだとか、ざわざわだとか、かさかさだとかという音に満たされていく。気持ちよくて、目を閉じる。だけど、木々が髪を振り乱している姿も好きだから、すぐに目を開く。ふと、一息つく。


 昨晩、タイ人の友人に会った。彼女は仕事で日本にきていたらしい。東京にはほとんどいられなかったから、と連絡を受けていなかった。だけど、ちょっとだけ時間を作ってもらえることになって、急遽仕事の後に会いにいった。彼女は、一年前と変わっていなかった。変わったのは、短かった髪の毛が伸びていたことだけ。いつも通り、ピンク色の衣服を身にまとってた。彼女はきっとピンクだろうと思って、昨日は私もピンクをきて出かけた。
 仕事が長引いてしまったから、私は三十分近く遅刻してしまった。だけど、友人は嬉しそうな顔で出迎えてくれた。懐かしい笑顔だった。そのまま、立川のまちをぶらぶらした。彼女がラーメンを食べたいというので、ラーメンを食べた。和歌山ラーメン。にんにくが強烈で、胃がもたれた。チャーシューの味が、かつおだしだった。おいしかったけれどね。八月にまた日本にくるらいしから、そのときまた会えばいい。楽しみ。JRの改札の先を歩く彼女の後ろ姿をみて、また会おうと思った。

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