グッバイ、いつかのあなた。そして、ハロー。

 不思議なことは起こる。普段、わたしはどちらかといえば引っ込み思案。ずっとひとりで考えて、考えて、考えて、頭が煮詰まるほど考えて、ようやく行動にうつせるようになる。ひとつのことをするのに、十数える。石橋を叩きすぎて、わってしまうこともしばしば。具体例ならいくらでもあげられるのだけれど、こればかりはどうしようもない。だけど、不思議なことは起こる。
 燃え上がるような情熱、というわけではないこの思いは、不安げな顔をしながらも実を結んだ。八年間もずっと思い続けていた人に、心のなかで別れを告げたすぐ後のことだ。不思議な出会いだった。すぐに近づいて、すぐにくっついた。わたしらしくないことの連続に、自分じゃないみたいだった。だけどわたしは、どっちに転んでも、どこを眺めていても、どんなことを考えていても「わたし」だった。
 「まぁ、いいか」というほど軽い気持ちじゃない。真剣に考えた結果の今の関係。不安がないわけじゃない。だけど、それでも挑戦してみようと思えた。その価値はあるんじゃないかって、思えた。だから、踏み込んだ。今でもきちんと、石橋は叩いている。こんこんこんこん、と。しゃがんで、耳を澄ます。きちんと、してる。心拍数も、平常。頭の中も、きちんと動いてる。ニューロンの伝達も、異常なし。胸に手を当てて、言える。「好きです」と。

 この別れと出会いは、他者との関係性の変化だけじゃなくて、、自分自身との別れと出会いがあった。八年間縛られ続けていたわたしに対するグッバイと、新しい関係へと向かうわたしへのハロー。だからね、「これでいいんだ」と思えるまで、またしばらくは走ります。今までのわたしを忘れるのは不可能だけれど、新しいわたしと、よくよく話し合って生きていこう、と希望を持って言える。つねに持っている辞書の中に、「希望」の文字をみつけるなんてね、不思議。

 もう迷子じゃないよ、多分ね。グッバイ、いつかのあなた、わたし。そして、ハロー。

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