月経カップについて


 去年の九月から、性腺刺激ホルモンの補充を再開している。幸い、以前やっていた補充薬とは違って、副作用はあまり出ていない。エストラーナテープとデュファストンという薬は、わたしの体に合っているのだと思う。

 薬でホルモンの補充をしているので、毎月、月経がくるようになった。薬のおかげか、以前のようなひどいPMSは経験していない。そりゃ、生理前に食欲がものすごくなったり、肌荒れしたり、眠くなったり、体がだるくてもう動けない、むり、ってなることもある。頭痛だってないわけじゃない。でも、普通に生理があったときよりも、穏やかな気持ちで生理を迎えることができる。こんな気持ちでいられるのは、生理を起こすために、薬を貼ったり、飲んだりして、体の調子を整えているからだと思う。月経を起こすことで、他の病気の予防になるわけだし、以前よりもポジティブな気持ちで生理と向き合えている。



 月経がくるようになり、月経カップを使うようになった。無月経になる直前に買っていて、使う機会がないまま押し入れに二年もしまわれていた、かわいそうな子だ。

 月経カップは、ずっと前から使ってみたいと思っていた。プラスチック汚染の話、最近ではよく聞くけれど、ナプキンもタンポンも、ゴミの量が半端ない。世の中の生理のある人たちが、毎月たくさんの生理用品を使うわけで、その量を想像するとぞっとする。(日々捨てられるペットボトルや、お弁当のゴミ、その他リサイクルできないままになっているものに思いを馳せると、現実から目を背けたくなる。)極力ローウェイストを心がけたい、そういう気持ちからカップを購入したんだった。

 あと、やっぱりナプキンやタンポンは使用感が好きになれなかったこともある。むれたり、かぶれたり、下半身の違和感や不快感を我慢しながら過ごすのは嫌だし、夜の経血漏れはしばらく立ち直れないくらい落ち込む。シーツを洗うのも惨めな気持になったりする。だから、タンポンの使い方を覚えたとき、こんなに楽なのかと思っていたけれど、それでもやっぱり快適というわけではなかった。



 わたしが使っているのは、デンマーク製の「OrganiCup」、出産未経験者向けのサイズA。到着まで少し時間はかかったけれど、海外から取り寄せた。ウェブサイトをみて、クリーンなパッケージやデザインに惹かれたのと、環境問題について真剣に考えいこうという姿勢がとても気に入ったから。使い方について、詳しい動画があるのもとても好感がもてた。あと、外箱が広げらるようになっていて、裏面に使い方が丁寧に書かれているのもすごくいい。無駄なものが一切なくて、よく考えられてるなって思う。

 月経カップは、膣内に嵌め込む必要があるので、最初のうちはかなり抵抗がある。特に、タンポンみたいに紐がついていないから、抜けなくなったらどうしようという不安は、度々頭をよぎってすごく怖い。わたしも、月経カップを使うぞ!と意気込んでいたのに、いざ、装着する段階になると怖くなって、しゅんとしてしまうことが何度もあった。

 それに、最初のうちはなかなかうまく装着できなかった。どうしても入り口のところから入っていかない。入っていかないと、やっぱり気持ちも焦ってしまって、余計変な力が入る。案の定、入らない。そんなことを何度もやっていて、完全に気持ちが折れてしまったこともある。赤裸々すぎるのにもほどがあるけれど、あまりにもカップが入らなくて、最初のうちはパートナーに手伝ってもらっていた。自分でやると、緊張しすぎてまったくだめだったから。(なお、現在はひとりでできてます。)

 数回月経カップを使ってみて、もうナプキンやタンポンには戻れないなって思うようになった。月経カップを使うことで、わたしは生理の不快感がゼロになった。下着はむれないし、装着中でも心配せずにトイレに行ける。最初のうちこそ、入っている感はあったけれど、今はもう気にならない。今のところ、経血漏れも経験していない。あれほど心配していた取り外しも、何度か練習したらまったく問題なかった。なにより、ゴミが出ないというのがすごく嬉しい。

 ただ、わたしは今、外出することがほとんどない生活なので、常に外に出ている人や、会社や学校、病院などのトイレの中に手洗いがついていない場合は、少し工夫が必要かもしれない。わたしは経血が少ないこともあり、八時間に一回程度のつけ外しでも、全く問題ない。(なんなら十二時間大丈夫だった…)だけど、経血が多い人はもう少し頻度が高いかも。そのあたりも、実際に使ってみてということになると思う。

 月経カップを使う上で大事なのは、リラックスすること。何度か練習してみることだと思う。あと、言うまでもなく清潔に保つこと。形や大きさも自分に合うものを探してみるといいかもしれない。Youtubeなどで使い方について説明している動画も結構あるから、調べてみるといいと思う。焦ってしまって、力が入ってしまうときは無理しない。膣自体は子どもが通れるくらい収縮するわけなので、焦らず、練習すれば大丈夫。抜けなくなることが心配な人は、ステムがリング型の月経カップもあるし、紐などを通して練習すれば、抜けない!という心配も減ると思う。


 もちろん、これからカップでの失敗経験がでてくるかもしれないけれど、本当に買ってよかった。煮沸消毒してきちんと清潔にしていれば、十年くらいは使うことができるしね。ちなみに、わたしは2個で11,400円前後(送料込み)で購入して、もう1つは友人にお譲りした。タンポンは一箱700円〜800円前後だと思うから、価格面でもいい買い物ができたと思う。

 日本でも、いろんな月経カップが流通していて、手に入りやすくなってきている。ほんとは、店頭で手に取れるようなサンプルがあるほど流通するのが好ましいんだけれど、まだそこまでは時間がかかると思う。個人的には、生理がある人には、ぜひ使ってもらいたい。とくに、ナプキンやタンポンで不快感を強く感じている人には。あと、ナプキンを使いづらいトランクスやボクサーショーツスタイルが多い人にもいいと思う。使い始めるまでの精神的な抵抗感を乗り越えれば、生理の不快感が軽減することで、かなりストレスが減る。ほぼ毎月あることだから、出来る限り快適に過ごせるようになりたいし、なって欲しい。

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