糸の色を作るのが好き

このことに気づいたのは、篠作りを始めてからのことだった。篠というのは、まだ糸になる前のウールを棒状にして、糸紡ぎしやすくしたもののこと。
篠を作るために、ウールの色を櫛のようなハンドカーダーで混ぜ合わせる作業をする。
ここで混ぜてみるまでは、どんな色になるかはあまりイメージできない。混ぜてみると思ったのと違ったなとなることもある。
思うような色になることは少なくて、大好きな色になるのは、大概意外な組み合わせから生まれることが多い。あとは、何も考えずにふらっと作った色が、むちゃくちゃいいものができたりと、予測できない。それが楽しい。
映画からインスピレーションを受けることが多くて、その映画やキャラクターの色、監督の色なんかを考えたりするのが好きで楽しい。

今は主に香港映画をメインに糸を考えることが多いけど、色んなところからインスピレーションを受けてたくさんの糸を作りたい。

この篠はショウブラザーズという香港の映画配給会社のロゴマークをイメージして作った。
大好きな色合いで、見ているだけで元気が出る篠が作れた。この篠を糸にして編んだ邵ブランケットは自分の中の大作となった。
邵ブランケットの話は、別の記事で書いているのでそれもよかったら読んで欲しい。
これから糸も販売する予定なので、糸たちの紹介もしたい。手紡ぎ糸は制作に時間がかかる分、とても可愛いので、その可愛さをぜひ手に取ってもらいたい。

可愛い手紡ぎの糸がさらに編まれて作品になっていく過程が本当に愛おしいので、自分たちが作った糸が誰かの手に渡って、また新たな作品や何かに使っていただけたら、嬉しいなあ。

この上の写真のように、京都へ行ったら行きつけの「金の羊」というお店に行ってウールを買って帰ってます。この緑と鮮やかなピンクは楚原糸に使う時に不可欠なウールです。
まだ見ぬ素晴らしい色に出会うため、日々色に向き合い、新しい色を生み出していきたい。
Mais ou Menos Knitting に興味を持ってくださった方は、お店にも寄って行ってくれたら嬉しいです。お店はこちら
では、またね。